台風19号の影響による建物損壊で不動産購入をご検討の方へ【登録免許税が免除されます】

　司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナーの檜山大地です。

この度の台風１９号により被害を受けられた皆様におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。

被災された方の中で、被害を受けた建物に代わるものとして、建物の建替えや住宅等の購入、新しく建物を取得するための土地の購入、これらを行うため資金融資等をご検討されている方は、「り災証明書」をご準備ください。 一定の条件下で、所有権の登記や抵当権設定の登記申請をする際に負担となる登録免許税（登記申請するときにかかる国税）が免除されます。

1 被災した建物の建替え等に係る登録免許税の免除措置

　今回の台風１９号により、住宅、工場又は事務所等の建物に被害を受けた方(「建物被災者」※①)等が、滅失した建物又は損壊したため取り壊した建物(「滅失建物等」)に代わるものとして新築又は取得をした建物(「被災代替建物」※②)の所有権の保存又は移転の登記で、令和元年１０月１２日の災害発生日以後５年（令和６年１０月１２日）を経過する日までの間に受けるものについては、一定の条件の下、登録免許税が免除されます。

※①「建物被災者」とは、今回の台風１９号により所有する建物に被害を受けた個人又は法人です。 ※②「被災代替建物」の所在地は、被災者生活再建支援法の適用区域内です。長野県  は令和元年１１月１５日現在、県内全域（７７市区町村）が適用区域で、全ての建物が対象となっています。

2 被災した建物に代わる建物の敷地の用に供される土地に係る登録免許税の免除措置

　建物被災者等が、上記1の免除措置の適用を受ける被災代替建物の敷地の用に供される土地の所有権等の取得をした場合において、その土地(一定の面積制限を超えない部分に限る※①)の所有権の移転登記等で、令和元年１０月１２日の災害発生日以後５年（令和６年１０月１２日）を経過する日までの間に受けるものについては、一定の条件の下、登録免許税が免除されます（※②）。

※①　免除対象となる土地の面積は、次のいずれか大きい面積が限度となります。 ・滅失建物等の敷地の用に供されていた土地の面積 ・被災代替建物の種類に応じて計算した次の面積 個人が再取得する住宅用の建物 滅失建物等の床面積の合計(注)の２倍の面積 上以外の建物 滅失建物等の床面積の合計(注)の６倍の面積

(注) 区分所有建物の場合は、専有部分の床面積（共用部分がある場合は、これを共用すべき区分所有者のそれぞれ の専有部分の床面積の割合によりその共用部分の床面積を按分して計算した面積を含む）によります。

※②　この免除措置を受けるには、法務局へ登記申請を行う際の添付書面として「り災証明書」のほか、滅失建物等の登記事項証明書や、敷地の用に供される見込みであることを明らかにする書面として代替建物に係る建築請負契約書の写し等を提供する必要があります。

3 再取得等のための資金の貸付けに伴う抵当権の設定の登記に係る登録免許税の免除措置

　上記1、2の免除措置の適用を受ける資産の取得等のための資金の貸付け（貸付けに係る債務の保証を含む）が行われる場合又はその対価の支払いが賦払の方法により行われる場合におけるその貸付けに係る債権(その保証に係る求償権を含む)又はその賦払金に係る債権を担保するために受けるその資産を目的とする抵当権の設定の登記については、上記1の免除措置の適用を受ける被災代替建物又は上記2の免除措置の適用を受ける被災代替建物の敷地の用に供される土地の所有権の保存登記・移転登記等と同時に受けるものに限り、登録免許税が免除されます。

　要するに、被災代替建物や敷地に関して不動産決済を行い新所有者の所有権の登記をするときに金融機関などから融資を受け抵当権を同時に設定する場合には、抵当権設定登記の登録免許税が免除ということです。なお、根抵当権設定登記については適用されないため、注意が必要です。

当事務所ではこれらの免税措置を活用して登記申請を行っておりますので、お気軽にご相談ください。